アナウンサー announcer 2003 9 19

 アナウンサーとは、用意された原稿を読む人のことです。
しかし、日本の大臣も、アナウンサーです。
 まず、大臣就任あいさつ。
これは、実は、ある程度、官僚が事前に作成して、用意してあります。
もちろん、能力がある人は、
官僚が用意した「大臣就任あいさつ」は、必要ありません。
 次に、大臣の「談話」や「コメント」も、
基本的に、官僚が作成しています。
 さらに、国会答弁。
これも、官僚が事前に答弁書を作成して、用意してあります。
 なぜ、事前に、答弁書が作れるかというと、
国会での質問者は、何日も前から、事前に、わかっているのです。
 だから、若手官僚が、質問する予定の議員のところへ行って、
事前に、質問内容を聞いてくるのです。
 ここは、野党議員も、癒着していますので、
質問内容を、事前に、官僚に教えてくれます。
 そこで、教えてもらった質問内容を、官僚は、省内に持ち帰って、
答弁書を作成するのです。
 詳しくは知りませんが、
課長補佐あたりが、答弁書の原案を書いて、課長と協議して、
最終的には、局長に目を通してもらうのかもしれません。
そして、答弁書が完成したら、大臣に手渡すというシステムです。
 何日か後の国会で、予定された質問を、
野党議員が、予定どおり行い、
大臣は、事前に用意された答弁書を読むという「芝居」です。
 大臣、官僚、野党議員、長年に渡る癒着構造です。
たまに、意地悪な野党議員がいて、
事前に教えた質問とは違う質問をする時があります。
こういう時は、大臣は、立ち往生して、
後ろに控えている局長に助けを求めるのです。
 また、何かの建物の完成記念式典で、
大臣が、よく、あいさつしますが、
この「あいさつ文」も、官僚が事前に作成したものです。
 極端な話、誰でも、大臣はできます。
サラリーマンでも、自営業者でも、できます。
実は、同じ構造が、地方議会でも、あります。

官僚の時代は終わった 2003 10 30
 実は、こういうことを、5年前に、官僚候補から言われたのです。
超一流大学の学生で、
国家公務員のキャリア試験に合格していた学生が、そう言ったのです。
 若くて能力がある時代を、
国会対策という、ムダな時間に、浪費したくないと言っていました。
 どういうことかと聞けば、
国会が始まると、
若手の官僚は、国会で質問する予定の国会議員のところに行って、
事前に質問内容を聞くという作業があるのです。
 そして、事前にわかった質問内容に対して、
担当のセクションが、大臣答弁の原案を作るのです。
この作業が、深夜まで続くのです。
 しかも、答弁原案の「てにをは」に膨大な時間をかけるのです。
まるで、「学生時代の国語」の時間のようだと言っていました。
 さらに、大臣答弁なら、まだ、ましで、
首相答弁となると、他の省庁と、答弁案を調整する必要があるのです。
これでは、深夜どころか、朝まで仕事をすることになってしまうのです。
 若くて能力のある時代を、
こんなバカバカしいことに浪費したくないと言っていました。
 しかし、私は、思うことですが、
国会での質問に対して、答弁する能力がない人を、大臣にするから、
こういう問題が起きるのです。
 官僚の作った答弁書など必要としない、能力ある人を大臣に任命すれば、
若手官僚は、国会対策などで、ムダな時間を浪費することなく、
本来の仕事に専念できると思います。
 要するに、無能な人を大臣にするから、
若手官僚が、やる気をなくしているのです。
こういう問題をなくせば、また、官僚が活躍する機会があると思います。
そして、新しい「官僚の時代」が来ると思います。










































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